タイ総選挙で野党が大勝!政権交代へ野党連立!協議は難航か?!

ベテラン本格おっさん、パッタイ大好きKUROちゃんです。

5月14日に4年ぶりに行なわれたタイ総選挙でしたが、注目度がとても高く、投票率は75%を超えて過去最高だったようです。

ご存じだとは思いますが、タイは2014年のクーデター以降、軍の影響力が強い政権が続いてきました。
今回の選挙での注目は、政権交代が起きるのか?ということでしたが、それが現実的になってきている様です。

今回総選挙が行われたタイの議会下院の選挙制度は日本の衆議院選挙と似ていて、定員は500議席、このうち400議席は「小選挙区」、100議席は「比例代表」で決まります。小選挙区は、それぞれの選挙区で最も多くの票を獲得した候補者が当選し、比例代表は党の得票に応じて各党の議席数が決定します。
また、現在の上院の定員250の議席は、いずれも軍が任命した形になっていて、総選挙の後に行われる首相指名選挙は、500人の下院議員だけでなく250人の上院議員をあわせた750人で行われるため、首相になるには750の過半数、376人以上の支持が必要となります。

そして、今回の総選挙の結果は、軍の影響力排除を掲げる革新系の前進党が、500議席のうち152議席を得て第1党になり、タクシン元首相派の最大野党であったタイ貢献党が、141議席で第2党となり、二つの野党を合わせると293議席で、議会下院の過半数を占めることになりました。

3位は与党第2党のタイ名誉党で69議席となり、連立与党の中核を担った国民国家の力党が42議席、プラユット首相が所属する国家建設タイ合同党には厳しく37議席で終わりました。

この結果で、9年前の軍事クーデター以降続いてきた現政権にとても厳しい評価が下ったこととなり、今後は単独過半数を獲得できた党が無かったことで、前進党とタイ貢献党の両党を軸とした新たな連立政権樹立に向け交渉が進められるという状況になって来ました。

また、議席確定後に行なわれる首相指名の投票には、今回選ばれた500人の下院議員の他、軍政下で任命された250人の上院議員の投票も加わりますので、各政党の連立の交渉が焦点となります。

勝利を宣言した前進党のピター党首も、記者会見で「クーデターを終わらせる時が来た。私は首相になる準備ができている。」 と述べ、18日には親軍派の政党から距離を置く野党8党での連立を表明しました。
下院での議席数はあわせて313と過半数を確保しましたが、上院と下院を合わせた過半数には60議席あまり足りず、政権交代の実現にはより幅広い支持が必要となっています。

ただ、上院は軍政下で任命された親軍派の議員で占められているほか、前進党の主要な政策の一つに、王室への中傷を禁じる不敬罪の改正などを主張しているのに対し、タイ貢献党党首であるペートンタン氏の父であるタクシン氏は現国王と親密であったとされていて、その異なる立場から政権交代に向けた協議の難航が予想されています。

まだまだ不透明ですが、市民の間からは第1党になった前進党に対して、政治への軍の影響力の排除や格差の解消などを強く期待する声が大半だといい、今後タイでは、改革を求める若い世代の影響力が大きくなるのは間違えないと思います!

 

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